
sanmalです。これは僕が初めて好きになったトラップです。
トラップと言っても本当に色々なスタイルがありますね。ヒップホップから派生したトラップは、世界的な E D M の潮流に乗って大流行する(最近はむしろヒップホップの方が盛り上がって来ているという話も)わけですが、そのあたりのお話は下記サイトを含め、調べれば色々なところで記述されているので定義とか成り立ちとかがよくわからんという方は是非参考にしてみてください。
Trap _ Trap Music(トラップ)とは – 音楽ジャンル _ YGDB:洋楽データバンク
【特集】トラップミュージックの歴史における重要人物とは誰か? - FNMNL (フェノメナル)
更に詳しく知りたいという方はnoiseyの「アトランタ トラップ最前線に潜入」シリーズを視聴することをおすすめします。人によってはトラップ嫌いになるかもしれませんがそれだけ強烈な環境の中で進化した音楽だという事がよく分かるかと思います
バリキモチイイお薬を作ってるとこからスタート
またHudson Mohawke、Luniceの2名からなるTNGHT、Bauuerなどは5年以上前から自分の作品にトラップを導入しており、EDMのシーンにおけるトラップ隆盛の一助を担っています。
トラップ面白いやん!ということに多くのトラックメイカーが気づいた結果、全貌を書ききれないほどの派生ジャンルが生まれ、それがよりトラップって何?と戸惑いを生む理由にもなっているのかと思います。近年はヒップホップでもEDMでもトラップはポピュラーなものになったので、リスナー側も特にどっちかだけを好んで聴くという感じではそこまでなくなっている気がします。
とりあえず聴いてみましょう。
とてもかっこいいと思ったので実際にDJで使ってみたところ「モテの対極」「死にたくなった」と大好評でした。これらをジャンル名として「Experimental Trap」と呼ばれたり、呼ばれなかったりします。
WOOLYMAMMOTHはサンフランシスコの好きなアーティストなんですが、2013年の頃には普通にトラップを作っていたようです。
ちなみに最近出た同曲のVIPバージョンがこれです
病院に行ってくれ~~!
なぜここまでアメリカの西海岸でこの若干21歳の尖ったアーティストが誕生したのかというルーツを考えてみたところ、元を辿ればUKベースミュージックによる影響が強かったのではないかという風に至りました。ひとつの参考として、UKのドラムンベース大御所レーベルShogun Audioや、エレクトロニックレーベルExit Recordsのレーベルボスらの発言が載っているRedbull Musicの記事を載せておきます。
不滅の進化:ドラムンベースの長寿の秘密
UKで誕生したドラムンベース自体の多様性と、逆に他ジャンルとのクロスオーバーによってできる多様性、それぞれについての話があります。個人的にはオランダの3人組、NoisiaがやっているNoisia Radioで、ドラムンベースの両方の多様さを垣間見ることができると思います。
またUKベースミュージックについて実験的に追求しているプロジェクトとして記事中にIvy Labの存在が挙げられています。Ivy Labはハーフタイムというビートを根幹に「Future Beats」というジャンルを見出し、発信しています。今年は京都のTHE STAR FESTIVALで来日もしており、注目されています。
それらがどうトラップと関連するかという話は、また舞台をアメリカ西海岸に移して考えてみます。サンフランシスコのアーティスト、DJ Shadowのレーベル「Liquid Amber」について注目してみます。
DJ Shadowはアメリカでトリップホップ、アブストラクト・ヒップホップと呼ばれるジャンルを築いたアーティスト、プロデューサーです。その彼自身が2014年にLiquid Amberからリリースしたのが「The Liquid Amber EP」です。
かなりディープな雰囲気のヒップホップ、フットワークといった感じです。それ以降様々なアーティストが曲をここからリリースしたのですが、その中でも特筆したいのが北カリフォルニアのBLEEP BLOOPとG Jonesです。
ジャンル的にはトラップと言えるかと思いますが、UKのベースミュージックの影響も感じられるように思いませんか?ちなみにG Jonesは他の曲でもアシッドベースやレイブスタブなどをよく使っているので面白いです。
その後の、2017年のコラボはこういう感じです。
イカれ具合が洗練されてきている上、よりビートがダブステップやハーフタイムに寄ってきている感じがあります。先程参考に出したIvy Labのサウンドと似ていないとも言えない、というラインだと思います。またBLEEP BLOOPは「Slimepunk」という昔(2011年頃)流行した「Seapunk」の亜流的なものを提唱しているのですが、それはそれだけで別の記事が書ける話題になると思うので今回はほっときます。
ロンドンの有名レーベル「Circus Records」からもリリースしている、ロサンゼルス/上海のアーティストのConrankもLiquid Amberからリリースをしています。
これらから、約3,4年ほど前くらいのタイミングで、Liquid Amberの面々のように、アメリカのアーティストの中でトラップとUKのベースミュージックに明確な区別を持たずに、両者をうまく取り入れてエクスペリメンタルなビートミュージックを作ろうと挑戦する風潮があったというように見て取ることができると思います。ムーブメントの経過を見てみると、サウンドはだいぶ違いますがハイブリッドトラップと似たところがあります。ちなみにインタビューによると、BLEEP BLOOPは自分の曲についてトラップやダブステップといったジャンル意識は特に無いそうです。
[Q&A] Head-Tripping with Bleep Bloop at the Controls _ Bassrush
ちなみに現在メインストリームのEDMシーンでも活躍しているロンドン出身のLAXXですが、2014年にトラップとUKベースミュージックが混ざったような曲をリリースしており、結果コメントで壮絶なジャンル論争が巻き起こされていて笑いました。
もちろん、実験的なトラップにはアンビエントやIDM、エレクトロニカの影響も多分にあると思います。むしろそうした分野が専門だった人が、同時期にトラップを作品に取り入れ始めたということも考えられます。ヒップホップと実験的な音楽が融合した事例というのはもっと昔からあった上で(その第一人者として先程紹介したDJ Shadowも挙げられるかと)その延長にトラップが参入してきたと考えると自然な流れだと思います。あまり深くは分かっていませんが…。
IDM色の強いトラップのひとつとして最近ロサンゼルスの有名レーベル「Brainfeeder」からリリースされたこの曲を紹介しておきます。
ついでにUK在住のIGLOOGHOSTを布教します
あとはまたロサンゼルスのtsurudaも
tsurudaはWOOLYMAMMOTHともコラボしており、Brainfeederと同じくロサンゼルスの重要レーベルである「Alpha Pup」からリリースしています。
トラップミュージックについて、主にLiquid AmberやBrainfeeder、Alpha Pupといった西海岸のレーベルやUKのアーティスト達をフィーチャーして考えていきました。実際のところ、WOOLYMAMMOTHが最も影響を受けているアーティストはMura Masaらしく(インタビュー参照)、ダブステップに似ているところがあるにしても、全部が全部UKのベースミュージックに影響されているという訳ではなさそうです。また、今回とは別のレーベルを参照して調べてみたら、同じ西海岸でも違うスタイルの奇抜なトラップがあると思いますし(例えばジャージークラブやフィリーと混ざっていたり、またはラテン音楽と混ざっていたり)、一概に西海岸のスタイルがこうという訳ではないのでご了解ください。BLEEP BLOOPらが好きだから結果的にこういう記事になったというだけです。また、このシーンの中でもまだ紹介できていないアーティストもまだまだいますし、自分の知らないアーティストもまだまだ多くいると思います。自分も調べながら知らないこと多いな~と思ったのでまた色々探してみようと思います。
次はまた違う地域やレーベルに注目してみたり、視野を広げてワールドワイドで活躍しているコレクティブなどについて調べてみたりしてみるかもしれません。最初に曲を紹介したKlahrkはロンドンの、roxasとKattieはアルゼンチンのアーティストです。特にアルゼンチンやブラジルは変わったトラップが多い感じがしているのですが、そのインスパイア元が良くわからないのでそのうち誰かにインタビューして聞けたらいいな~みたいに思っています。
トラップと言っても本当に色々なスタイルがありますね。ヒップホップから派生したトラップは、世界的な E D M の潮流に乗って大流行する(最近はむしろヒップホップの方が盛り上がって来ているという話も)わけですが、そのあたりのお話は下記サイトを含め、調べれば色々なところで記述されているので定義とか成り立ちとかがよくわからんという方は是非参考にしてみてください。
Trap _ Trap Music(トラップ)とは – 音楽ジャンル _ YGDB:洋楽データバンク
【特集】トラップミュージックの歴史における重要人物とは誰か? - FNMNL (フェノメナル)
更に詳しく知りたいという方はnoiseyの「アトランタ トラップ最前線に潜入」シリーズを視聴することをおすすめします。人によってはトラップ嫌いになるかもしれませんがそれだけ強烈な環境の中で進化した音楽だという事がよく分かるかと思います
バリキモチイイお薬を作ってるとこからスタート
今やクスリや殺しについて歌ってこそトラップだ!と言って聞かせてもどうにも収まらないでしょう。ご存知かもしれませんが世界各国、あらゆる言語やスタイルでトラップミュージックは生産されています。カリフォルニアロールが寿司の顔をして世界中でのさばっているように。「本場」という価値をどう見るかは人次第というところですね...
ヒップホップの文脈内で成長したトラップ達に関して自分は疎いのですがネット上の音楽メディアを見ていれば(bmrなど)それなりに知ることが出来ると思います。あとはSoundcloudとBandcampを駆使しましょう。
またHudson Mohawke、Luniceの2名からなるTNGHT、Bauuerなどは5年以上前から自分の作品にトラップを導入しており、EDMのシーンにおけるトラップ隆盛の一助を担っています。
トラップ面白いやん!ということに多くのトラックメイカーが気づいた結果、全貌を書ききれないほどの派生ジャンルが生まれ、それがよりトラップって何?と戸惑いを生む理由にもなっているのかと思います。近年はヒップホップでもEDMでもトラップはポピュラーなものになったので、リスナー側も特にどっちかだけを好んで聴くという感じではそこまでなくなっている気がします。
という長い前置きはここまでにして、ここからはタイトルのトラップミュージックについてお話していこうかと思います。そう、「狂った」トラップミュージックです。
とりあえず聴いてみましょう。
とてもかっこいいと思ったので実際にDJで使ってみたところ「モテの対極」「死にたくなった」と大好評でした。これらをジャンル名として「Experimental Trap」と呼ばれたり、呼ばれなかったりします。
WOOLYMAMMOTHはサンフランシスコの好きなアーティストなんですが、2013年の頃には普通にトラップを作っていたようです。
ちなみに最近出た同曲のVIPバージョンがこれです
病院に行ってくれ~~!
なぜここまでアメリカの西海岸でこの若干21歳の尖ったアーティストが誕生したのかというルーツを考えてみたところ、元を辿ればUKベースミュージックによる影響が強かったのではないかという風に至りました。ひとつの参考として、UKのドラムンベース大御所レーベルShogun Audioや、エレクトロニックレーベルExit Recordsのレーベルボスらの発言が載っているRedbull Musicの記事を載せておきます。
不滅の進化:ドラムンベースの長寿の秘密
UKで誕生したドラムンベース自体の多様性と、逆に他ジャンルとのクロスオーバーによってできる多様性、それぞれについての話があります。個人的にはオランダの3人組、NoisiaがやっているNoisia Radioで、ドラムンベースの両方の多様さを垣間見ることができると思います。
またUKベースミュージックについて実験的に追求しているプロジェクトとして記事中にIvy Labの存在が挙げられています。Ivy Labはハーフタイムというビートを根幹に「Future Beats」というジャンルを見出し、発信しています。今年は京都のTHE STAR FESTIVALで来日もしており、注目されています。
それらがどうトラップと関連するかという話は、また舞台をアメリカ西海岸に移して考えてみます。サンフランシスコのアーティスト、DJ Shadowのレーベル「Liquid Amber」について注目してみます。
DJ Shadowはアメリカでトリップホップ、アブストラクト・ヒップホップと呼ばれるジャンルを築いたアーティスト、プロデューサーです。その彼自身が2014年にLiquid Amberからリリースしたのが「The Liquid Amber EP」です。
かなりディープな雰囲気のヒップホップ、フットワークといった感じです。それ以降様々なアーティストが曲をここからリリースしたのですが、その中でも特筆したいのが北カリフォルニアのBLEEP BLOOPとG Jonesです。
ジャンル的にはトラップと言えるかと思いますが、UKのベースミュージックの影響も感じられるように思いませんか?ちなみにG Jonesは他の曲でもアシッドベースやレイブスタブなどをよく使っているので面白いです。
その後の、2017年のコラボはこういう感じです。
イカれ具合が洗練されてきている上、よりビートがダブステップやハーフタイムに寄ってきている感じがあります。先程参考に出したIvy Labのサウンドと似ていないとも言えない、というラインだと思います。またBLEEP BLOOPは「Slimepunk」という昔(2011年頃)流行した「Seapunk」の亜流的なものを提唱しているのですが、それはそれだけで別の記事が書ける話題になると思うので今回はほっときます。
ロンドンの有名レーベル「Circus Records」からもリリースしている、ロサンゼルス/上海のアーティストのConrankもLiquid Amberからリリースをしています。
これらから、約3,4年ほど前くらいのタイミングで、Liquid Amberの面々のように、アメリカのアーティストの中でトラップとUKのベースミュージックに明確な区別を持たずに、両者をうまく取り入れてエクスペリメンタルなビートミュージックを作ろうと挑戦する風潮があったというように見て取ることができると思います。ムーブメントの経過を見てみると、サウンドはだいぶ違いますがハイブリッドトラップと似たところがあります。ちなみにインタビューによると、BLEEP BLOOPは自分の曲についてトラップやダブステップといったジャンル意識は特に無いそうです。
[Q&A] Head-Tripping with Bleep Bloop at the Controls _ Bassrush
ちなみに現在メインストリームのEDMシーンでも活躍しているロンドン出身のLAXXですが、2014年にトラップとUKベースミュージックが混ざったような曲をリリースしており、結果コメントで壮絶なジャンル論争が巻き起こされていて笑いました。
もちろん、実験的なトラップにはアンビエントやIDM、エレクトロニカの影響も多分にあると思います。むしろそうした分野が専門だった人が、同時期にトラップを作品に取り入れ始めたということも考えられます。ヒップホップと実験的な音楽が融合した事例というのはもっと昔からあった上で(その第一人者として先程紹介したDJ Shadowも挙げられるかと)その延長にトラップが参入してきたと考えると自然な流れだと思います。あまり深くは分かっていませんが…。
IDM色の強いトラップのひとつとして最近ロサンゼルスの有名レーベル「Brainfeeder」からリリースされたこの曲を紹介しておきます。
ついでにUK在住のIGLOOGHOSTを布教します
あとはまたロサンゼルスのtsurudaも
tsurudaはWOOLYMAMMOTHともコラボしており、Brainfeederと同じくロサンゼルスの重要レーベルである「Alpha Pup」からリリースしています。
トラップミュージックについて、主にLiquid AmberやBrainfeeder、Alpha Pupといった西海岸のレーベルやUKのアーティスト達をフィーチャーして考えていきました。実際のところ、WOOLYMAMMOTHが最も影響を受けているアーティストはMura Masaらしく(インタビュー参照)、ダブステップに似ているところがあるにしても、全部が全部UKのベースミュージックに影響されているという訳ではなさそうです。また、今回とは別のレーベルを参照して調べてみたら、同じ西海岸でも違うスタイルの奇抜なトラップがあると思いますし(例えばジャージークラブやフィリーと混ざっていたり、またはラテン音楽と混ざっていたり)、一概に西海岸のスタイルがこうという訳ではないのでご了解ください。BLEEP BLOOPらが好きだから結果的にこういう記事になったというだけです。また、このシーンの中でもまだ紹介できていないアーティストもまだまだいますし、自分の知らないアーティストもまだまだ多くいると思います。自分も調べながら知らないこと多いな~と思ったのでまた色々探してみようと思います。
次はまた違う地域やレーベルに注目してみたり、視野を広げてワールドワイドで活躍しているコレクティブなどについて調べてみたりしてみるかもしれません。最初に曲を紹介したKlahrkはロンドンの、roxasとKattieはアルゼンチンのアーティストです。特にアルゼンチンやブラジルは変わったトラップが多い感じがしているのですが、そのインスパイア元が良くわからないのでそのうち誰かにインタビューして聞けたらいいな~みたいに思っています。
おわり
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